神戸ClimbersClub

神戸ClimbersClubは岩登りから雪山までオールラウンドの山岳会です。
雪稜技術の伝達講習の山行を報告です。

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 白馬主稜及び前穂北尾根 報告 

【日程】  2018年4月27日昼出発~5月2日帰阪
  •  白馬主稜 頂上にて 

  •  メンバー 

     白馬主稜  (L)K氏 N氏 O氏
     前穂北尾根 (L)K氏 N氏

     行動時間 

    4月27日;
    出発~白馬ステーションゲストハウス集合(泊) 白馬駅近く おすすめ!!
    4月28日;
    白馬ステーションゲストハウス~二股~猿倉荘~白馬尻(12:00)泊(テント設営)
    4月 29 日;
    白馬尻(4:30)~八峰手前コル(6:15)~六峰(7:00)~三峰(9:15)~二峰ピーク先テラス(9:27) ~頂上(11:15)~白馬山荘(11:42)~大雪渓~白馬尻テン場(13:05)~テント撤収~猿倉荘感想

【感想】

 今年の春山は北アルプスを満喫しながら個々とパーティー山行のレベルアップを図ろうと白馬主稜と前穂高北尾根を計画し実行しました。
 GW前半は天気予報も良い予報でした。白馬までは車2台に分かれて予約していた白馬駅前にある白馬シェアゲストハウスに集合。  私は仕事の都合もあり到着したのは21時を回っていました。二人はパッキングも終わっていて明日のルート計画等話し合っていました。急いで私もパッキングを済ませ少し酒を飲んで就寝。
当日は白馬尻まで。雲ひとつない快晴。行動時間も短いのでゆっくりハイキング気分。昼前には白馬尻につき明日主稜に登って行くであろうたくさんのテントの合間を抜け自分達のテントを設営。 明日の取り付き等を確認して早々宴会。雪でテーブルを作り、さながら居酒屋『白馬尻』。Nシェフの唐々鍋を堪能。
 3日目の朝も超快晴。3時にテントから出るともう主稜に取り付いてるパーティーが。急いで我々も用意をし4時半出発。八峰に着く頃太陽もコンニチワ。  踏み跡もしっかりついていて八峰からの雪稜もさほど難しいところもなく二峰から本峰へのコルへ少し下るとこのルートの核心である雪壁。  フリーで登ってるパーティーも多数伺えたがロープを出す。Nリード、Oは真ん中でプルージックにて。私は引っ張り上げてもらう。30mほど行ったところでピッチを切り私が支点までいくとリードで行ってくれとのこと。  確保の状態が悪かったのかよくわからなかったが指示通り登る。喘ぎながら山頂へ。山頂にたくさんいた登山者が拍手をしてくれた。スタンディングアックスビレイで残り二人を引き上げる。11時無事登攀終了。
喜びもつかの間。そそくさと下山開始。13時に白馬尻。15時に猿倉に。
猿倉でO氏と別れKとNは上高地へ。18時過ぎに平湯温泉到着。サンガの湯に仮眠することに。とりあえず湯に浸かり明日の準備を済ませ近所のラーメン屋にて軽く乾杯。
4日目の朝もまずまずの天気。今日は涸沢まで。7時上高地BT。昨日の疲れもありのんびり歩き出す。穂高、明神を眺めながらたわいもない話をしながら歩を進める。 最後のヒュッテ前の登りがきつかった。やはり少し疲れもあるようだ。13時に涸沢ヒュッテ到着。テントを設営し5・6のコル取り付きまで下見することに。 帰ってきてルートを二人で確認。予定では涸沢~前穂~穂高山荘~涸沢の予定であったが吊尾根の状態がよくないと岳沢小屋ブログで見ていたので偶々いた山岳警備の方に聞くとやはり状態が悪く相当時間がかかるだろうとのこと。 スノーバーも必要だと思われるとも指摘を受け車にスノーバーを置いてきたことからもあり変更して軽荷のアタック形式から荷物を担いで岳沢に下ることにした。 後々この荷物に苦しめられるのだが。涸沢は曇天。
翌日は誰が晴れ男なのか見事に快晴。4時半出発。5・6のコル5時40分。他に2パーティーコルの上で登攀準備をしていた。3Pほぼ同時に五峰に取り付く。 五峰下りで先行の3人パーティーの一人が苦戦していて四峰を諦めて懸垂でカールへ降って行った。 事前に四峰のルート取りと浮石に注意と聞いていた。最初は稜を辿り上部で奥又白側に回り込んだところでルートミス。 戻るのも難しそう。後ろの内藤氏にこっちに来ずにルートを探してくれと声をかけどうするか考えました。靴ではなんとか上がれそうな岩場で頼りげない支点がひとつ。 背中の荷物が邪魔をする。何度か登ろうと試みるが滑落が許されないと必死でスリングでアブミ作成。なんとか乗り越えてN氏と合流。 四峰直下からは雪の状態もよくないのでスタカットに切り替えました。ここからは山頂までロープを使いました。 三峰もルートミスがあり色々苦労しました。一番苦労したのが三峰直下のルート取りでした。トラバースして二峰に向かえそうなルートとかぶった岩を乗っ越すルートです。 自分の判断でトラバースは滑落するとやばいと判断。気合いで乗っ越すことにした。残置ハーケンに前爪を引っ掛け体をあげようとするが背中のザックが重力に素直に負担をかけてくる。 重力に気合が勝りなんとか乗っ越せた。進めばランナウト気味になりそうなので少し登ったとこでピッチを切る。 ここで後ろのパーティーはトラバースルートへルートを取って行って本峰へは先を越されました。N氏もなんとか上がって来て休憩することに。 ここで15時を回っていた。二峰は懸垂で下り最後も雪が悪くスタカットで山頂へ。17時誰もいない前穂高山頂へ。時間かかり過ぎでしたが感無量でした。
二人でハグして愛を叫びました。
記念撮影をして休む間も無く下山に取り掛かります。山頂から明神側にルートを取り前穂高沢を下降します。途中ノドと言われる部分に雪はなく疲れた体で雪解け水をかぶりながらクライムダウン。 奥明神沢に合流し岳沢まで下りました。19時岳沢小屋に到着。14時間半の長い登攀でした。
今まで先輩方に連れていただいてた山行。今回二人で挑んだ前穂北尾根。時間、体力、ルートファインディング等まだまだな部分が露呈しましたが経験をしたことによりトレーニングの目的、重要性。綿密な事前計画とこれからの山行に計り知れない経験が積めました。 この計画に承認してくださった会に感謝。これからももっとトレーニング、経験を積み心の震える山行をしていきたいです。(記)K氏
  •  白馬主稜 登り 

  •  白馬主稜

  •  穂高

  •  前穂北尾根

  •  懸垂下降

  • 山行報告

    目的達成度:頂上への雪壁では2月に講習を受けた雪稜講習会での技術を生かせた。 問題点、教訓、課題:猿倉からテン場まで1時間程の移動のためGW後半の装備、食料を担いで移動したがザックが重く移動に時間がかかった。デポできる場合は必要分のみの装備で移動する。 今回は雪が少なく先行者もいたため三峰から五峰へのナイフリッジも難なく通過できたが雪稜での確保技術、アイゼンワーク、歩荷力は必須。

  

 白馬主稜・感想 
白馬岳主稜は、大雪渓と白馬沢の間、白馬尻から山頂へ突き上げる長大な尾根。 積雪期には日本海に近い豪雪地域ゆえに美しいスノーリッジが形成される後ろ立山連峰の名クラシックルートです。さて、今回は K 氏リーダーのもとベテランの O 氏と 3 名で日本を代表する雪のバリエーションルート 北アルプス白馬岳主稜へ!!天気にも恵まれ最高の山行になった。 初日は白馬尻までの移動のため朝はの~んびりとして出発。猿倉まで約 30 分ほど車で移動。駐車場はほぼ満車状態!!準備をして白馬尻へ。テント設置後宴会。 登攀当日、4 時半出発するも外は薄っすらと明るくパーティーでは最後あたり。テン場から中央右の一番低いところから尾根に取付き8峰へ向けひたすら急斜面を直登。八峰からは本格的な雪稜がはじまる。五峰あたりまで灌木まじりの雪稜歩き、五峰から三峰まではリッジではあったが融雪とトレースでナイフリッジではなかったため少し残念であった。3 峰までくると頂上をまじかにみられ振り返ると登ってきたきれいな雪稜が。頂上への雪壁はロープを出し中間でピッチを切り登攀。景色のいい頂上で休憩をして大雪渓を下山。今回は晴天ではあったが雪が少なく状態も良くなかったため雪の多い状態で改めて再チャレンジをしたい。

山行中のヒヤリハット

猿倉荘上部の林間で踏み抜きが起こり片足が自力では抜けなくなった。 木の近くを歩かず注意して歩行をする。 (記)N氏

  

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