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谷川岳一ノ倉沢烏帽子岩南稜 登攀報告

谷川 一ノ倉沢と云えば岳人ならば一度は登ってみたい山である。「近くてよき山なり」と言われているが、関西からは非常に遠く足を踏み入れることもなかった。今回佐々木さんご夫妻と同行して谷川岳を登る機会を得ましたのでその報告をします。

104日(金)2230 溝ノ口駅北口集合、佐々木車で一路谷川に向かう。

105日(土)200 一ノ倉沢出合到着、駐車場の空きスペースにテントを張り仮眠する。立派なトイレがある。明け方雨の音がする。

600 起床、雨は上がり他のパーティーは出発している。我々も準備をする。

南稜は人気ルートの為順番待ちで時間がかかる事が多いとの事。その為、混雑帯を避けてゆっくり出発の計画。また、今日の予定は南稜を抜けて上でビバークの予定。
720 一ノ倉沢出合にはカメラマンが谷川岳を狙っている。テールリッジや中央稜にはもう人だかりである。衝立岩にも取付いているのが見える。我々も朝食を済まし出発。

アプローチは一ノ倉沢出合から本谷に入る。10分ほどで右岸の草付に入る。再び本谷に入り滝が出てきたところを再度右岸を高く巻く。しばらく進むと鎖のある岩場に着く。我々はここから懸垂下降で45m下降するが、後続パーティーはクライムダウンした。また、沢通しにトラバースしてきたパーティーもある。

ここからテールリッジの末端になる。下部はU級程度の岩場、先行パーティーはロープを出していたが我々はそのまま登る。いったん樹林に入り再度岩場に出る。スラブ上になっており下部は傾斜がゆるいが上部はV級程度。FIX有り。

テールリッジを抜けると中央稜基部に到着。23パーティーが順番待ちをしている。我々はそこから烏帽子スラブをトラバースして南稜テラスを目指す。烏帽子スラブは落石の可能性が有り注意が必要。
940 南稜テラスに到着。テラスにはN山さんパーティーと千葉と東京の混成パーティーに会う。混成パーティーは吉尾さんの追悼山行で三ルンゼを目指すとの事。
1000 南稜に取付く。1ピッチ目は正面フェースを右上ぎみに登りチムニーに取付く。チムニーは最初の1歩がポイント。チムニーを登った所でピッチを切る。
2ピッチ目は25mのフェース。10m程登った所の細かいフェースの処理がポイント。
3ピッチ目は草付き、4ピッチ目はオーバーハング下のフェースを左上し6ルンゼ側のテラスへ。5ピッチ目はテラスからリッジに上がるがロープの流れが悪くS々木(利)さん苦戦する。6ピッチ目は馬の背リッジで核心部は奥壁側が切れ落ちた5m程の急なカンテ。カンテ右側から左に移り乗り越す。7ピッチ目は20mの垂直のフェース。注意深くホールドを探り登る。核心は上部の23手。

大テラスに抜けて終了。約3時間、眺めは最高である。しばし眺望を楽しむ。下降する場合はここから懸垂下降で下るが我々は上部を目指す。50m程で草付きからV級程度のスラブに出る。傾斜が緩いので注意して登る。途中懸垂用の支点があった。そこから40m程右上すると中央カンテからの下降用FIXがある。そこから100m程で烏帽子尾根に出る。
一ノ倉尾根に合流し一ノ倉岳に向かうが途中5ルンゼの頭の岩場は脆い岩なのでロープを出す。S々木(康)さんがブッシュや枝にランニングを取りながらリードする。

 

5ルンゼの頭を越えリッジを越えると一体が熊笹の所に出る。一ノ倉岳は近い。

南稜の終了点から2時間ほどで一ノ倉岳頂上に着く。感無量である。下部のテールリッジを越え南稜を攀じ登り尾根を通過して頂上に立つ、これが山登りの醍醐味であろうか。

南稜登攀だけであれば懸垂で下るほうが時間的に早いであろうが、脆い岩場や馬の背のようなリッジを通過し汗を流しながら頂上を踏むほうが感激が大きい。岩登りだけでなくそれらのコースを登って頂上に立つ事、これこそ山登りの原点だと思う。機会があれば皆さんも是非験されて下さい。

我々は一ノ倉岳から20分ほど北西に行った茂倉岳を目指しそこの近くの茂倉岳非難小屋に入る。小屋には20人程度が先客としていた。
10月6日(日)500 起床、605非難小屋出発。一ノ倉岳(640)昨日に比べ今日は雲の動きが速い。谷川岳の東側から気流に乗って登る雲が頂上を越えそのまま西側の谷に下りている。まるでナイヤ川の滝を見ているようである。オキの耳(谷川岳頂上)には725、トマの耳には735 着。視界が悪くなったのでそのまま下山。マチガ沢出合 1000、一ノ倉出合駐車場には10:25着。駐車場には谷川の紅葉を一目見ようと多くの観光客が押し寄せ駐車場はいっぱいであった。我々は登ってきた南稜を再度確認した後谷川を後にする。途中水上で「湯テルメ・谷川」温泉に入り汗を流す。露天温泉は少し温いが疲れが癒せる。下山後の温泉は最高である。

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