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山行記録 

 山行報告 2017年9月9日~11日

 9月9日


北穂高・滝谷 ドーム中央稜ルート

1ピッチ目(Ⅳ級、40m)は上部のチムニーがポイント。ネットの情報では狭いとある。またクゥィックドローを12~13本使ったともあり出来るだけ多くのヌンチャク(20本)を持ちスタートする(結局12本で足りた)。クラックのあるフェースを登り中間部より右コーナーのクラックに入る。下部はそれほど難しくない。中間部より右のチムニー部に向かう。チムニーは狭いのでそのまま入ると向きの変更が出来ない。ザックを降ろしビレーループにぶら下げて登る。
チョックストーンは左から廻りこむ。ここでもピッチを切れるがもう少し登ると安定したテラスがあるとの事で後10mリッジを登り広いテラスでピッチを切った。ただ終了点の支点が無く岩と残置ハーケンで支点を作成した。
2ピッチ目(Ⅴ級)は右のカンテを登る。
3ピッチ目はルートが良くわからないが正面に見える取付き地点までロープを引きずりながらピッチを切る。
4ピッチ目(Ⅳ級+)は凹角からチムニーとなり左に回り込むとあるがルートが解り難い様子。
5ピッチ目(Ⅳ級)は左上に延びる凹角を登り最後の小ハングを右から越すとドームの頭だ。

感想

取付きまで
北穂山頂から奥穂へ向かうルートの最初の鎖を下りたところから一般道は左手へ。ドーム中央稜の取付きは右手へ。
顕著な踏跡がありそれを辿るもすぐにイヤらしい下りにぶち当たる。少し戻ってキョロキョロしていると下に結構新しい踏跡を見つけたのでそこへ下りる。途中水筒が落ちていた。結果は正解。そこから下ってトラバースしてを何度か繰り返し、懸垂地点へ到着。
25mでギリギリ届くとのことだったのでロープ1本で良かったが、もしもT1でなかったときのことを考えてロープ2本出す。懸垂した後は壁を背にして右手へ顕著な踏跡がトラバースしておりそこを辿ると取り付きへ。

1ピッチ目:Kさんリード
私の大嫌いなチムニー。できることならチムニー登りはせずに突破したいと企んでいたけれど、そういうわけにはいかず・・・でも手も足も背中もしっかり岩に止まっていたので安定したチムニー登りができた。大変なのはチムニー登りの体勢になるまで。奥に入ったほうが手も足もあっていいのだけれど、狭くて身動きがとれない。ザックをハーネスのビレイループにぶら下げて自分の幅を狭くするが、そのザックが足にからみついて足が動かせない。かさばっている雨蓋をザックの本体に押し込み、からみつくザックを足で蹴り上げながらなんとかチムニー登りの体勢になれた。フォローとしてはここが一番の核心だった。
チムニーを抜けたところの小ハングは左へ出ると易しいんだけど、チムニー登りの体勢から通常の体勢に戻るのがリードだと少しイヤかな~と思った。終了点がよく分からず、2ピッチ目途中?の大岩で取っていた。

2ピッチ目:Nさんリード
ルートを間違えたようで、全く登り応えのなかったピッチ。30mのピッチだが、多分Kさんさんが最初の部分を1ピッチ目から続けて登ったので途中からスタート。途中からホールドやスタンスがなくなってイヤらしくなるらしいカンテを登る。下が切れ落ちていて私の大嫌いな高度感満載。そして情報通りすぐにイヤらしくなった。傾斜がきついのに、ホールドもスタンスもない。行き詰まってカンテの左を覗き込むと、スラブでリングボルトが2つあったのでそちらへ逃げる。こちらは下がテラスなので心が落ち着く。スラブを上がるとテラス。少しウロウロするが中間支点が見当たらず。Kさんさんから「ロープ半分」のコール。ここが終了点ではないと思ったが、ルートの長さ的にはこの辺で終わりに違いない。よく分からないまま、とりあえずハーケンが3つ固まって打ってあるところでピッチを切る。
3ピッチ目:Kさんリード
右手の壁が4ピッチ目だがテラスからはグルッと回り込まないといけない。ほぼ歩きで4ピッチ目取付きへ
4ピッチ目:Nさんリード
ここはルート取りがバッチリ分かったので迷いはない。ほとんどの箇所がⅢ級くらい。中間支点はたくさんある。チムニーと書いてあったけどチムニーらしき箇所は狭くて、上もつかえていて登れなさそうだった。ここが核心ぽいが、これまで無駄なほどあった支点がここにはない。いやあるにはある。カラビナをかける輪っか?が割れたハーケン、静荷重でも切れそうなヒモが掛かったハーケン、そして残置のカム。確かにここはカムを掛けたくなる。だってハーケンはどれもこれも使えないもん。とりあえず残置のカムにヌンチャクをかけて保険とし、念のため自分のカムも掛けておく。どう登るかしばし躊躇。目前の岩が抱くように持てたので、左右の壁に足をかけ、体を外に出して乗っ越す。乗っ越した先にも支点が欲しい・・・というか、そここそ支点が欲しかったがない。おまけにカムが入りそうな割れ目もない。なので落ちないよう必死に岩にしがみつく。そこを抜けて右手の岩を登るとテラス。ハーケンが4つ打ってあるところでピッチを切った。
5ピッチ目:Kさんリード
凹角を登る。最後の小ハングまでは易しい。小ハングは直登ではなく「右へ行くと易しい」と書いてあったが、その右の壁に移るのがイヤらしかった。結構立ってるのに、支点が少し遠い。ここで滑ったらアウト。フォローで良かった。支点の所に付くと傾斜はドンと落ちる。そしてその先すぐが終了点となる。ここも明確な終了点はなく、支点が1つだけ。岩にスリングを巻いたのと割れ目にカムをかませて複数支点とした。
滝谷も貸し切りで、スムーズに進めて良かった。落石のリスクを聞いていたけど、岩はしっかりしていたように思う。
最終支点まで全く日が当たらず、晩秋を思わせる寒さだった。夏が終わってしまったんだ~となんとなく寂しい気持ちにさせられた。
ここのルートは中間支点はたくさんあるものの、他のルートではよく見られるスリングがいっぱい掛かった顕著な最終支点がなかった。なので最終支点が分かりにくかった。
Kさんさんにそのことを話したところ、メジャーなルートは、ガイド山行が入るため、ガイドがあらかじめ安全のために支点を整備しているが、滝谷のようなそこまでメジャーではないルートはガイド山行があまり入らないので整備されていないのだろうとのことだった。
北アルプスの超人気エリアにありながら、静かで良いルートでした。

 

装備

共同装備

□ コンロ 1 □ 燃料・ガス 1 □ コッフェル(L) 1 □ ベニア板 1 □ 医薬品 1 □ 共同食 2 □ カム 1 □ ツェルト □ GPS 1    

個人装備

□ 雨具 1 □ 事故連絡書 1 □ 確保&下降器 1 □ ポリタン(2L) 1 □ 三角巾 1 □ クライマー手袋 1 □ 地図 1 □ 食器 1 □ PAS 1 □ コンパス 1 □ はし 1 □ 非常食 1 □ ヘッドライト 1 □ 個人用マット 1 □ 予備食 □ 予備電池 1 □ ストック 1 □ ジャンピングセット □ ナイフ 1 □ シュラフカバー 1 □ テルモス 1 □ ホイッスル 1 □ 着替え 1 □ 日焼け止め 1 □ 筆記用具 1 □ 手袋 1 □ ヘルメット 1 □ トイレットペーパー 1 □ 帽子 1 □ オートブロック 1 □ ライター 1 □ ハーネス 1 □ スコップ □ 防寒着 1 □ アタックザック 適 □ 安環付カラビナ 7 □ タオル 1 □ カラビナ 12 □ クイックドロー 2 □ 替え靴下 1 □ スリング(60cm) 6 □ ルート図 1 □ 靴紐予備 1 □ スリング(120cm) 2 □ ツェルト 1 □ 医薬品 □ 残置用スリング 1 □ クライミングシューズ 1 □ 保険証 1 □ ロープ(9mm) 1 □ カム □ トランシーバ 1 □ GPS 1
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