八ヶ岳・石尊稜&小同心クラック 登攀
【日程】 2019年2月8日~2019年2月11日-
行動時間
2月8日;
JR尼崎駅21:00― 諏訪SA(仮眠)
2月9日;
美濃戸口8:10-赤岳鉱泉11:05 下見
2月10日;
テント場6:10-取付き8:10-頂上13:50-下山14:00
2月11日;
テント場(5:35)~大同心稜基部(7:35)~撤退(8:10)~(9:10)テン場(10:20)~美濃戸山荘(11:40)参加者
KJさん、NTさん -
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【報告】
<Nさん>
■今回二度目のKJさんと二人でのバリエーションルート挑戦となる。
登攀以外に今後の軽量化のためにジェットボイルの検証及びトランシーバーの使用を行う。
1日目(石尊稜)
テン場から登頂まで厳しい寒さはあったが快晴、弱風の良いコンディションの中、石尊稜登頂が出来た。
トレーニング時からの課題であったガチャの受け渡しを忘れるルートが2度ほどあり今後の課題が残った。また、1月の赤岳主稜で課題になったトランシーバーの活用はたいへん役に立った。
しかし、登攀途中から何らかの原因で通信不良が起こり通話ができなくなり再度、検証が必要と思われる。
今回二人ともピッケルとミニバイルで登攀をしたがフレームがストレートタイプの場合、雪壁に打ち付けた時に手が雪面に触れかじかんで思うように動かなくなった。
ジョットボイルについては今後、有効活用が出来ると確信が出来た。
1回で沸かせる量は800ml弱と少なく食事及びテルモスへの対応は2回は必要になるが沸騰時間の早さからストレスは感じられなかった。ジェットボイルで料理は可能のようであるが3人以上、鍋などの場合は、プリムスのガス及びコッフェルが最適と思われる。
燃料については暖を取る時間にもよるが冬季では1個/日必要。
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【行動記録】
2月8日 JR尼崎駅集合(20:30)~諏訪SA 仮眠
2月9日 晴れ 諏訪SA~美濃戸口駐車場(8:10)~赤岳鉱泉(11:05) 登山道からアイゼン装着。
美濃戸口駐車場で神戸中央山の会の3名と出会う。
石尊稜取付き下見 積雪20センチ 無風 テン場(12:05)~取付き基部(12:50)
赤岳鉱泉~登山道~橋を左に入り沢沿い~小同心ルンゼ出合~三叉峰ルンゼ、日ノ岳
ルンゼ分岐を日ノ岳ルンゼに行き左手に大きな岩、手前を左上。 テン場からトレースは有り。
20メートル程左上して左にトラバース。雪壁は2~3センチのクラスト状態。
これ以上登ると懸垂が必要になるためこの位置で明日の取付きまでのルートを検討。
上部尾根には3名パーティーが下見中?
2月10日 晴れ 積雪10センチ 無風
起床(4:00)~テン場(6:10)~取付きスタート(8:10)~頂上(13:50)~下山(14:00)~赤岳鉱泉
先行パーティ―1組(3人組) 取付きまでは左の尾根に上がらず基部から直登。
直登組はロープも出さず少し危険と感じた。
昨日のトラバース点から右に右上して尾根左に上がる。尾根までは脆い岩が出ており注意!
下部岩壁1ピッチ目:内藤リード 右の取付きから登攀。5メートル左上とそこから2メートル
右にペツルのハンガーボルトが有り。先行パーティーのリードが1ピン目を取ってから左に
ルートを取ったため確認後、右の支点を1ピン目に登攀開始。グローブで掴めるホールドが
無くWアックスで雪をかき分けアックスの掛かりとアイゼンの前爪に神経を集中して立ち
こみ上がっていく。 思わず「マジか!!!」
1ピン手前で女性の声が聞こえたと思ったら左上斜面から先行パーティーのリードが滑落。
約15メートル程と思う。 思わず目の前にある先行パーティーの1ピン目のハンガーボルトに
1ピン目を取る。滑落した女性は目の前の支点で留まっている状態。
思わず2回目の「マジか!!!!!」
後ほど聞くと後発のガイドさんも同じ1ピン目を取り3組が同じ支点を取っていたとの事。
核心?は出だしの数ピンまで。中間から草付きが出てきてランナーを取りつつ慎重にハング
気味の岩場を苦戦しながらも越えロープいっぱいのところでピッチを切る。
KJさん曰く左に巻くところがあったとの事。1ピッチ目で時間を費やしてしまった。
2ピッチ目から急な灌木帯の草付きを数ピッチ登り気持ちのいい雪稜へ
振り返ればきれいな雪稜にトレースが残っていた。
上部岩壁1ピッチ目:梶さんリード 上部岸壁は凹角から若干カブリ気味の岩を乗っ越す。
そして、ピナクルでビレー。凹角からリッジに出る辺りがちょっと嫌らしい。
2ピッチ目は、すこし凍った斜面を慎重に登る。支点がなかった。
2月11日 朝から小雪 微風
起床(3:30)~テン場(5:35)~大同心稜基部(7:35)~撤退(8:10)~テン場(9:10)~下山(10:20)
~美濃戸山荘(11:40)
赤岳鉱泉から登山道を少し進むと大同心沢の分岐の道標があり大同心沢に進む。
進入禁止のロープ有り。途中から傾斜がきつくなり汗が出てきているのを感じる。
大同心稜基部手前から岩と草付きの登りになるが見上げると目の前には強烈な存在感で立ち
はだかる
岩壁が迫り圧倒的な存在を感じた。
基部を右に巻いたところに1M程の下りがあり、左手岩壁のペツルボルトを支点にロープを
出してKJさんにルートの調査に行ってもらった。
この時点で雪混じりの風が吹きつけ寒さとの戦いが始まっていた。
30分ほど調査後、天候が悪化。 惜しくもこの地点で撤退を決定。 下山
■2日の行動で両足の親指、人差し指、中指が軽い凍傷。凍傷の初期症状である白斑はわからなかったが、 痺れが発生して間隔が無くなり徐々に痛くなる。(正座した後のような状態)
今回の原因は水分と行動食不足が大きな要因と思われる。テン場スタートから下山まで何も口にせず。
行動中はこまめに水分、行動食を摂る。 ビタミンEを摂る。防寒も必要であるが身体の中から血液を
循環させ温めるようにすることが大切。
【感想】 <Nさん>
昨年5月の前穂高北尾根同様、石尊稜頂上では感動した。
天気はどうか、ルートを間違えないか、無事に登りきれるかなどなど。緊張と不安が心を過ぎる。
やはり、他メンバーと登攀する時はどこかで安心感があるようである。
緊張と不安の中、石尊稜を登るとたいへん疲れるが充実した登攀が出来た。
小同心クラックは残念であった。携帯が鉱泉では不通(au)のため小屋で天気を事前に確認したが詳しい天気がわからず、テレビの天気のみであった。 天気は午前曇り、午後雪マーク。
とにかく寒かった!! 今回、10日の風速が20M前後の予報もあったためいつもより1枚多めにフリースを準備し、靴下も朝、新しいものに変えたが寒い、寒い。 とにかく寒い!!
あとは取付きまでのルートファインティング力をもっとつけなければあかんなーと痛感した。
<KJさん>
初日の石尊稜は天気も良く快適に登れたがやはり八ヶ岳。寒さが結構応えた。
第2岩峰から後ろを振り返ると登ってきた雪稜が見えて感動した。本当に綺麗だった。
山頂に上がるとやはり風がきつい。感動もそこそこに退散した(笑)
2日目は小同心クラックを目指したが大同心基部を少し回り込んだところで風雪がきついな、行けるかなと悩んだ。諦めきれなかったので先まで偵察をさせてくれと頼んで1ピッチロープを出してもらったが初見のルート、気温、風と色々考えてこの状態で岩を登るのは危険だなと判断。
戻って撤退しようと言った。また今度登りにこようと2人で言って下山した。
残念ではあったがチャレンジしての撤退、目の前に目的の岩、色々頭を巡っての決断と非常に良い経験となったと思う。命があればまたチャレンジできるさ??
フォトギャラリー
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石尊稜基部
取付き下部
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上部雪稜
上部からの見下し
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上部岩壁から
下山
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下山
小同心クラック
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撤退