神戸ClimbersClub

神戸ClimbersClubは岩登りから雪山までオールラウンドの山岳会です。
北アルプス・中崎尾根 山行報告

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 冬山報告「北アルプス・中崎尾根」 


  • 【日程】

     2002年12月28日~2003年1月1日
      

     参加者 

    I川、T田、S々木(利)、S々木(康)、Y村、K脇

【中崎尾根 報告】

 今回の山行は私が大失態をした。寝坊である。はっと目を覚ますと23時20分。
 23時54分、新宿発の「ムーンライト信州」の予定に完全に遅れた。真っ青になる。  しかし23時42分発の電車に乗れば立川で何とか間に合うと解り慌てて航空公園駅に行く。  23時40分駅に着くがホームにロープが張られている。駅員に聞くと最終は出た後との事、それならばタクシーでと思いタクシー乗り場に行くがタクシーが1台もいない。仕方なくT田氏に「遅れたので後から行く」と連絡を入れる。 ■明朝一番の電車で出発、松本に9時40分着。タクシーで新穂高温泉まで飛ばす。
■11時30分、やっと新穂高温泉に到着。松本では小雪が降っていたが新穂高についたころは回復していた。 早速準備をし計画書を提出してからスタートする(11:45)。
登山者はもう誰もいない。T田氏の携帯に連絡してみるが応答は無い。 タクシーの運ちゃんからは止めたらと言われる。『そうはいかない』と自分に言い聞かせ林道を黙々と歩く。
 穂高平(12:30)、白出出合(13:30)、白出沢から見る穂高は美しい。ここから登山道になる。  樹林帯に入ると木の枝に積もった雪が風に吹かれて上から落ちてくる。チビ谷を雪崩れに注意しながら通過する。  ここは過去に雪崩れた記録有り。滝谷小屋(14:30)着、後一ピッチである。休憩もそこそこで先を急ぐ。
■途中雪崩によりトレースが消えていた所も有ったが槍平(15:30)に到着。
冬季小屋近くでテントを張っていた皆とやっと合流できた。
 
■12月30日、天気晴れ、4時起床、 出発。
昨日見ておいた奥丸山へのトレースを辿りながら登る。 暗い中、樹林帯の急登を喘ぎながら登る。1時間半ほどで奥丸山の稜線に出た。 ここから穂高や槍が正面に見える。天候が良く最高の眺めである。 今登ってきた苦労を忘れさせる。下を眺めると飛騨沢を登っている多くのパーティがいる。 大喰岳西尾根は朴ノ木まで沢筋をつめる。大喰岳西尾根パーティかと思ったがどんどん登っていくパーティーもいた。 千丈沢乗越へ直接登っている。昨日は雪が降っていたはず、雪崩れについてどんな判断をしたのであろうか。 過去に中ノ沢出合で雪崩れが発生し死亡事故が起こっている。今日の計画は中崎尾根の2400m付近でテントを張る計画である。 テント場を探す。この付近の稜線は樹林帯まではなだらかでどこでもテントが張れそうだ。 時間が早いので出来るだけ先に張りたいが2500m付近を越えると肩の小屋までテント場は無い。 2500m付近は広い場所がなさそうである。樹林帯のはずれの場所にテントを設営していた九州からの学生に聞くと、 明日は天気が崩れるとの事。時間は早いが明日の天候次第では引き返すことも考えここでテント設営する事とする。 まだ9時30分、テント設営には確かに早すぎる、しかも天気は良い。正面の穂高や槍が美しい。 勿体ないが写真タイムになる。しかしこれも午後には小雪交じりの天候になる。やはり明日の天気が心配である。
 12月31日、天気・曇り一時小雪。起床4:30
 天候はそれほど悪くはならなかった。6時10分、テント場を出発。まだ暗い、トレースは昨日の雪で少し消えている。
 しかしそれ程多く積もっていなく、ルートははっきりと分かる。40分ほどで2500m付近に着く。  ここでK野さん達のパーティーに会う。 彼女たちは飛騨沢の途中から取付き昨日ここにテントを張ったとの事。 (ここからは中崎尾根を通らずに槍平に下りれるルートが有る。) ここを越えると緩やかな雪稜になる。ジャンクションピーク手前の岩稜に着く。 今回のポイントである。ここは直接岩稜を登る事も出来るが我々は右側のルンゼ状雪壁を登る。 トラバースは雪崩れに注意し間隔をあけながら通過する。
7時55分、千丈乗越に着く。風が強くなる。稜線には積雪は余り無い。アイゼンをガチガチと云わせながら進む。
9時10分、槍の肩の小屋に着く。冬季小屋で休む。槍の穂先はガスの中である。 1時間ほどでピストンが可能と思うが相談のうえ今回はここまでとする。
9時45分、下山開始。下からどんどん他のパーティが登ってくる。千丈乗越からルンゼを登りと同様なルートを下降。
今日も飛騨沢を直接登ってくるパーティもいる。西鎌尾根から少し下ると風は途端に緩くなる。
10時40分、2500m付近着。
11:25、テント場に到着。そのまま撤収をする。1時間で撤収完了。下山開始。
槍平には13時40分、穂高平に16時30分、今日はここでテントを設営。
穂高平の小屋でアルコールを仕入れ山行の無事を祝い乾杯する。
 今回の中崎尾根は【日本雪山登山ルート集】では中級レベルとなっているが、天候さえ恵まれれば初級者でも登れるルートである。
 今回は天候に恵まれ無事に山行を行なうことが出来たが、冬山は悪天候もあることを予測して行動出来ることが必要である。 特に冬山は天候が荒れる日が多い。その為に、スピーディな行動が求められる。スピードこそ安全登山につながると云われている。迅速な行動が出来る体力が要求される。しかし安全登山の為には体力のみだけでなく技術・経験・知識の要素も不可欠である。経験についてはチャンスが無いと中々経験できない。その為、チャンスがあればそれを生かし色々な経験をし次のステップにチャレンジしてほしいと思います。
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