神戸ClimbersClub 【山行報告】

 山行は岩登りから雪山までの総合山岳会です。
 アルパインクライミング(雪山や岩登り)を中心に活動しています。

【山行報告 雪彦山・不行岳(温故知新 5.10b)】

【山域】雪彦山 不行岳 温故知新 5.10bルート

【期間】2021年9月23日(木祝)

【メンバー】MT、KJ

  • 【概要】

    9月末の連休の合間、仕事や悪天となかなか思うような山行が出来ず悶々としていた中、 運よくクライミングが出来る仲間が見つかり、以前取付きまで行って登 れなかった「温故知新」にチャレンジした。
    ルートの最高グレードは逆層まじりの5.10bで、私には背伸びしたルートだったが仲間の助けもあり登ることができ た。
  • 【行程】

    6:00第2神明の明石西IC付近集合〜6:50賀野神社〜7:20不行岳下部取付〜 7:50登攀スタート〜9:00温故知新取付〜10:45登攀終了〜11:20大天井岳山頂〜12:30賀野神社
     

    【特記事項】

    不行岳下部への取付き
    地蔵岳東稜の取付きから不行沢に下って、沢を横断。水量は、問題ない。苔生した滑る斜面を、FIXロープに導かれて登ると下部岩壁へ至る。実際どこから登るの が正解か判らないが、リングボルトとペツルハンガーが打たれていたのでここをアンカーとして登攀を開始した。  

  • 【温故知新  1P目】
  •  下部岩壁1P(梶);湿り気味の岩で最初から立っており、顕著なホ-ルドがなくパーミング気味に手のひらを押し付けて斜上気味 に登る。傾斜が落ちてきた 後は、手足を見つけながら三峰からのトラバース道にある終了点へ。トポにはⅣ級とあるが、結構難しい。バランスが悪く、壁も意外と立っていて微妙なバランスが 求められた。要注意。  下部岩壁2P(森本);草付きの壁を、登れそうな所を選んで登る。小石のガレや草、泥などですっきりしない。終了点は、スタート地点から真上に位置する大木 にてビレー。  下部岩壁3P(梶);2P目終了点から10m程歩く様に進むとカンテ状の岩場に阻まれる。そこから適当な木でセルフビレーを取りスタート。カンテを乗っこす と最初のハンガーボルトがある。カンテ左を直上。登り切ると終了点があるが、そこからもロープの流れは悪くならないので4P目も繋いだ方が早い。終了点右へ切 れ落ちた草付き凹角へ。草付きだが傾斜があり、落ちると堪らないので適当に草木で中間支点を取る。登り切ると左にすっきりとした岩壁が見え、そこが下部岩壁の 終了点。  温故知新1P(森本);10a ビレイアンカーから左上を見上げると、ハンガーボルトの列が大木のテラスに伸びているのが確認できる。初めてのルートなので、恐る恐る手足を出していくが、ホールドもスタンスも逆層で、カチ ホールドとつま先が乗せられるスタンスを探しながら左へ斜上。簡単なフェースに見えるが、手足が不安定で下はキレッキレでメンタルとの戦いとなる。支点間隔は 短くしっかりしたハンガーボルトなので、思い切って手足を出して行く。大木に到着してホッとして、ここにスリングでビレイアンカーをつくって後続を確保した。 が、よく観察すると、3M程上にビレイステーションが構築されているではないか。雰囲気に負けて、視野狭窄になっていた自分に大いに反省だ。  温故知新2P(梶);10b このルート確信の逆くの字。地蔵東稜から見てもよくわかる顕著な凹角。取付きからその全容は見えないが、左手の凹角沿いに沿って右上しその後左上していく。やはりこのルートも逆層で、さらに指 先すら掛かるところが少なく垂壁に近い傾斜である。支点はしっかりしているので、信じてパーミング気味に指を押し付けて思い切りよく登る。  温故知新3P(森本);10a フェース、スラブ、小ハングと50mロープいっぱいに伸びる疲れるルート。途中にある小ハングは、左から回り込む。短いスラブが逆層でバランスが悪く、核心か!? 高度感もあり、かなり怖い。最後は傾斜も落ちた広いテラスで、しっかりしたビレイステイションが設置してある。「温故知新」ルートは、実質ここで終了。同ルー トを懸垂下降も出来るが(ラペルリング等、完璧な懸垂支点が各ピッチにある。支点の方向をしっかり頭に入れて入れば、比較的簡単にスタート地点に戻れると思 う。)我々は、不行岳から大天井岳経由の登山道で下るので、後少しⅢ級程度の歩いても登れそうな岩場、と言っても落ちると奈落の底なので、ロープを伸ばす。樹 林帯に入り、適当な木でビレーをして今回の登攀は終了した。大天井岳まで、踏み跡を辿り歩く。不行岳から大天井岳に登りあげる鞍部には、ロープを出すまででは ないが落ちたら左右が切れているのでちょっと怖い、いやらしい小さな岩場がある。幸いにお助け紐(古いので、自分のスリングをリングに掛ける方が良い)と足を かけるスリングが垂れているので、思い切って乗り越す。不安ならばロープを出す方が無難か?その辺までくると、山頂からハイカーの話 し声が聞こえてきてホッと したところでゴール。

  • 2P目3P目地蔵岳を 見下ろす 不行岳頭から帰りに寄った下村酒造
【感想】 〈KJ〉;念願の不行岳に登ることができた。いつも地蔵岳から見上げていたのが、遂に登れたのかと登り終えた後ふと感傷的になった。 これからも、トレーニングを積んで憧れの ルートにチャレンジしていきたい。
〈MT〉;KCCに入会できて、雪彦山のフリー用に整備されたルートを、初めて登る機会に恵まれた。ペツルハンガーなので安心だが、 フリーの岩場と違い、元々がアルパイン の岩場(人工含む)だから、顕著なホールド・スタンスが乏しく、空間の広がりとともに雰囲気に飲まれ萎縮する。 これで10bなら、10台後半から11ルートは、相当に手強 いだろう。HPで、最近他にも整備されたフリーのルートがあるようだから、今後も挑戦したい。 登攀については、頑張れば現状維持ができるかな!?という感じだけれど、登山 道での下りで膝の軟骨が突っ張り気味な感覚を覚えた。毎日のランニング時に感じない感覚だ。ストレッチを丁寧にして、 使える身体を長持ちさせたい。帰宅後、友人に報告する と、「薫風登路11b」というルートが「温故知新」ルートの取り付き下にあり、昨年度県連の他の会が間違って登り、 実力以上のため落ちて捻挫した「ヒヤリハット」の報告が あった。ルートに取り付く際には、過去の事例に当たってリスク回避するべきだ!と、アドバイスをもらった。

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