【山行報告 三倉岳(クラック・クライミング)】
【山域】広島 三倉岳県立自然公園キャンプ場【期間】2021年10月16日~17日
【メンバー】MT、KJ
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【山行概要】
・10/16(土) 本来は「救助隊錬成山行で錫杖岳」に行く予定だったが、寒冷前線の通過予報で雨予報。「山は逃げる」(同行のメンバーや家庭環境などで、行ける機会を消失す る。)という。介護帰省で、土日をフルに使えない身としては、中止で家に居るのはもったいない。天気は西から東に移動するので、二股かけて、西の三倉岳を調べ たらそんなにひどくなさそうなので、中止連絡が入ったから実行することとする。 片道4時間300km程なので、森本の家の隣の24hrsスーパー(ハローズ)に朝4時に集合とする。山陽道で大竹IC下車して、「三倉岳自然公園」まで。 8時前には着いた。9時開門だけれど、すでに門は空いていて案内所を開けてくれたので、受付をする。 このキャンプ場は、泊地代金が無料。過去2回ほど(10年以上前)来ているけれど、多分アメリカ軍の保養地になっている為、「思いやり予算という税金」から 出ているので、無料だと思う。管理人さんに、泊地#が記載された、すでに予約されている所には✗印が入ったキャンプ場一覧を渡されて、「空いている所はどこで も良いので、✗印付けて申請書と共に白いポストに入れておいて」と言われ、炊飯棟とトイレの近くの#9のサイトを予約。木枠で整備された、快適な泊地だった。
- ●10月16日(土) 『中ノ岳岩稜』
アプローチは、テント場から登山道Bコースを登り「7合目青白ハングから左に入る」とトポにあったので、7合目の看板を見つけるとすぐに左へ入った。けれ ど、それほど歩いた形跡がない。もっと上?と思い、上の方へ上がって行くとそれらしい踏み跡があった(トポを改めて読むと、「七合目上の青白ハング基部を」と ある)。進んでいくと、5Mほどの長さで青い綱引きの太い紐が上に向かって垂れ下がっていたので、この方向へ進む。取り付き点は、どこにも目印が無い。この辺 かと目星をつけて取り付き点として、準備をする。
9:30頃スタート。1P目;KJ
5.6 取り付きテラスからチムニーを進んで、ワイドクラック。トポには「やさしいワイドクラックを登って」とあるけれど、朝一番では”優しくない”。 何も疑問に思わずに荷物を担いで登り始めるけれど、荷物を担いでは、登れない。KJさん、荷物を置いて登る。 キャメ#4が何とか効いている。#5も持ってきたら良かったと後悔先に立たず(以後、何度も)。「横になったヒノキ」の上で切る。
2ndのMTは、ダブルザックでは当然登れない。左には、ハーケンに今にも切れそうな細いスリングが付いていてA0で登れるけれど 上手く行かず、右のスラブ (ペツルが2つほど打ってある)にフレーク状の箇所があったので、それを掴んで身体を上げて振り子テンションで左に戻り乗り込んでいく。
- 2P以後はよく覚えてない。何しか、プロテクション用のアンカーがほぼ無いので、自分で作らなアカンのだが、リスで
もあれば小さめのナッツなどをかますのだが、 フレアクラックが多くて、せっかく持参した大きめのフレンズも置いてきたし・・・
トポがあるとはいえ、よく登られているわけではなさそうで岩が磨かれておらずルーファイも悩む。
5P目、右にトラバースして、チムニーに左のフェイスにあるペツルにクリップしてボルト1本のアンカーのあるテラスまで。 ここから、膝くらいにある右の広めの水平チムニーは幅が30cmはありプロテクションが取れずに怖いので動けない。 2ndのKJさんが、テラスに上がらずに下から右へ回り込み、A0でテラスの上まで登り、MTを確保してくれて、何とか右へ回り込めた。 確保されていたから、レイバック気味にムーブを起こせばそれほど怖いトラバースではなかった。KJさんの、支点構築の応用力に助けられた。 この上のワイドクラック、左向きに登ったので動けずKJさんに代わる。左がフェイスで右が空間に開いていたから、KJさんは右向きに登って上手くいく。右向きが正解だった。
- 6P目、MT「出だしの広めのクラックは、簡単ではなく支点も取りにくい」との記載。
右斜め上にクラックは伸びている。身体の向きが、微妙に上手く行かない。2回ほどテンションして、フェイスに足を探して足をクラックに入れて入り込む。短いけ
ど難しい。この上に「チッピングされた短いスラブ」があり、最後は、広いスラブ状の頂上に至る。
下山は、頂上に打ってある鎖などをたどり下山すれば登山道に合流する。 三倉の登山道は、ほぼ最後まで階段で整備されており、1段の高さがアメリカ人様?に段差が高い。上りも下りも膝に来る。7合目まで、30分ほど。頂上からテ ントまでは4〜50分、60分以内と近い。ルートの所要時間は、約6時間ほどかかった。 16時頃に下山して時間があるので、片道25分ほどのファミマにビールを買いに行く。夜は、用意してきた鍋。白菜1/2は多すぎた。2人だと1/4で十分。 豆腐も2丁用意したけど、1丁で十分。たまたま出会った大阪の男1女3のグループと意気投合、喋った。 23時頃寝る。 - 2日目は、「上ノ岳 右ルート6P 5.10a」
ここも取り付き点は、7合目から右へ入っていく。ここは踏み跡がはっきりしていて、トポの写真と照らし合ってほぼ同定出来た。
1P目;5.6 KJさん、寝ているとはいえ、5Mほど上の左の細い灌木にランナーを取るまで落ちられない。木の生えたテラスまで。 2P目;5.9+
MT テラスから右へ広めの閉じたクラックをトラバースする。プロテクションが取れずに、怖い。上部薄かぶりのハングにはペツルとハーケンがあり、A0で抜け る。大木のテラスで切る。
3P目;5.10a KJさん、このルートのメインディッシュ。テラス正面のスラブにある浅いクラックにキャメを入れ、残置ハーケンにクリップして左にトラバー ス。滑りそうで手もない。足場を少し下げ気味に下から回り込む。フレーク状の剥がれそうなホールドと花崗岩の結晶でバランスを取りながら回り込むと、遥か上に ボルトがありドキドキしながら頑張れば、まず一呼吸。そこから、フレアしたクラックをたどり、テラスまで。MTは、1度落ちて右方向に転がる(重 力方向に落ちるというより、クラックのバランスが崩れて右に転がる)。
4P目;MT トポでは、「実質3pで終わり」との記載がある。「歩いて下さい」と言わんばかりのテラスなので、当然ルートかと確信して左のテラスを左へ左へ とたどり、20Mほど進んで行き詰まり戻る。ペツルが打ってあったので進んだが、別ルートの様だ。恐恐戻って、右側を登っていく。広めの浅いフレアクラックが 出てきて、少し気持ちが引いたので梶さんに代わる。梶さん、スイスイ登って途中1つペツルにクリップしてA0で右のスラブに乗り移る。痩せた頂上稜線には、ラ ンナーを取れる場所が全く無い。リードでは少し怖い。風化していて、ザラザラ。そうこうして進んだら、「朝日岳」頂上に到着した。 少し雨がパラパラ降ってくる。ナイスなタイミングだった。約3時間ほどの登攀だった。